【2021年10月31日】
ラブライブ!サンシャイン!!の聖地は静岡県沼津市と北海道函館市だけではありません。アニメでは出てこない、もうひとつの場所があります。
今回はそんな場所を求めて...
この日は博多駅からスタートします。
そして、最初に乗るのは...
特急「ゆふいんの森」
そうです!あの"ゆふいんの森"です。恐らく私が幼い頃にJR九州で最初に知った特急です。
車両はキハ72系気動車です。"ゆふいんの森"というのはこの車両の愛称でもあります。ただし、ゆふいんの森に使用されている車両はこれが3つ目にあたることから"ゆふいんの森Ⅲ世"と呼ばれている場合もあります。
博多駅9時24分発の「ゆふいんの森1号」由布院行きに乗ります。
「ゆふいんの森」は久大本線系統の特急ですが、どちらかというと観光列車としての色が強いので、4人掛けのボックスシートがあったりします。
キハ72系はハイデッカー構造なので、通常の列車よりも高い位置で景色を見ることができるので、二日市駅を通過した時にはイオンモール筑紫野がよく見えました。
鳥栖駅前にある、改修工事中の駅前不動産スタジアム(駅スタ)です。プロサッカークラブのサガン鳥栖のホームスタジアムで、正式名称は鳥栖スタジアムです。
個人的に"不動産"という単語に(謎の)強い因縁があるので、あまりいい印象はないネーミングライツです。
久留米駅を過ぎて久大本線に突入すると、筑紫平野を抜けて徐々に山々が見えてきました。
最初に車窓から見えたのは耳納(みのう)連山と呼ばれる山地です。因みに山の向こう側は八女茶で有名な八女市です。
ゆふいんの森には車内売店があり、グッズや車内で楽しめる料理や飲料がメニューとしてあります。
私は地ビールの「ゆふいん麦酒」を飲みました。やっぱりその列車でしか味わえないものを堪能してこその"観光列車"ですからね。
そしてもうひとつ、昨日博多駅すぐのデイトス内にある「住吉酒販」で買ったごま焼酎も飲みました。やっぱり特急列車の車内で飲むお酒は格別ですね。
夜明駅近く、並行して流れる三隈川(みくまがわ)が見えました。日本海軍の重巡洋艦「三隈」の由来となった河川で、福岡県内では筑後川(ちくごがわ)と名前を変えて有明海にそそぐ、九州随一の大河川です。
鉄道と国道と河川が並行してるこの景色、「自分は列車に乗って旅をしているんだ」という気分にさせてくれるのでとても好きです。
杉河内駅を通過してすぐ、列車は減速して車内アナウンスが入りました。車窓に見えたのは「慈恩の滝(じおんのたき)」です。
落差は30mですが、上滝20mと下滝10mの2段落としになっています。
北山田駅を過ぎたところで、今度は特徴的な形をした山が見えてきました。伐株山(きりかぶやま)という標高685.5mの山で、ビュートと呼ばれる、侵食が進んで頂上の部分が狭くなった孤立丘で、卓状台地(メサ)の一種です。
その卓状台地の特徴を持った万年山(はねやま)とともに玖珠町のシンボル的な存在となっています。
そして、博多駅からゆったり車内で楽しむこと1時間46分、豊後森駅に到着しました。ここでゆふいんの森を下車します。
大正のレトロな雰囲気を感じる駅舎内は、2013年のJR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の運行開始に合わせて、先程まで乗車したゆふいんの森や昨日乗ったソニックの車両デザインを担当した水戸岡鋭治さんのデザインによって改修工事が行われました。
駅舎の外観はこんな感じ。三角形の屋根が特徴的な木造建築となっています。
おや...?
駅前の道路(大分県道678号書曲野田線)を歩いている途中、ものすごーく見たことのあるグッズたちが置いてありました。
そうです、ここ、豊後森こそがラブライブ!サンシャイン!!の第3の聖地です!
何故か高海千歌のフィギュアだけ2体あるのが凄く気になりますが...
豊後森機関庫
この日の旅行の最大の目的地であり、メインイベントです。
実はここ、Aqoursの3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」のアニメーションPVで登場するのです。ダンスシーンの背景に映っているのが扇形の車庫と蒸気機関車であることから、豊後森機関庫だとされています。
先程のお店に沢山グッズが展示されていたのも、このような関係性があるからです。
そんな豊後森機関庫ですが、久大本線が全通した1934年に開設され、同時に「豊後森機関区」も発足して長らく久大本線の重要な拠点として機能しました。
恐らく、日田へ向かうにも由布院に向かうにも峠を越えなければいけないため、蒸気機関車が主流だった時代において給水塔などの施設を中間点に設けることで安全に走行させるためだったのではないかと思います。
そういう意味では、同じく機関区が設置されていた沼津や北海道の鉄路の玄関口だった函館などと似ているのかなと思いました。
その後久大本線では方向転換を必要としないディーゼル機関車への移行が進み、1971年に機関庫としての役目を終えましたが、現存する数少ない扇形庫として2009年2月6日に「旧豊後森機関区の関連遺産」として近代化産業遺産に認定、さらに2012年8月13日には機関庫と転車台が国の登録有形文化財に登録されています。
転車台の前にいる蒸気機関車は、国鉄9600形蒸気機関車「29612号機」で、もともとは福岡県糟屋郡志免町にある中の坪公園で展示されていたものを志免町から無償譲渡を受けて保存されているものです。
なお、29612号機とはいってますが、この形式が30000両も製造された訳ではなく、9600から順番に割り振っていったときの9699(100番目)の次(101番目)は、9700形に被らないように19600...と万の位に1をつけて割り振っていきました。そんな感じで100番毎に万の位を増やしていったので、29612号機は213番目に製造されたことになります。
そしてこれは、そのSLの前でHAPPY PARTY TRAIN衣装の千歌のフィギュアと同じポーズをとっている私。なにをしているの...
もちろん千歌の寝そべりぬいぐるみも連れてきたのでツーショットを...
いやでけぇな、SL
ルビィとかONちゃんとかシャンロンとかまで殴り込みしてて、もうほぼCYaRon!じゃん...みたいな。
機関庫の近くには、作業員の詰所を改修したという「豊後森機関庫ミュージアム -BUNGOMORI ROUNDHOUSE MUSEUM-」があったので寄ってみることに。
入場料は100円で、入場券も切符風になっています。
そしてこのミュージアム内の一角にもAqoursメンバーの姿が...!
センターの松浦果南を中心に、各メンバーのHAPPY PARTY TRAIN衣装のフィギュアとその後ろにメガジャンボ寝そべりぬいぐるみが並んでいました。サクラウチ見切れウチ...
因みに、私が蒸気機関車の前で頑張ってとっていたポーズはこれです。指の向きとかもう少し改善すべき部分はありますが...
次に乗る列車の到着時刻が迫っていたのでゆっくり出来る時間も無く、やや急ぎめで出ることに。
駅から豊後森機関庫に向かう途中にあったこのお店「スポーツプラザ太陽」に行きたいというのもあったからです(行きに見かけた時は店主が外出中で入口が閉まっていたため)。
フィギュアやポスターが沢山飾られていたのがまさにこのお店です。
店名にもあるように、スポーツ用品店なのですが、店内には沼津や函館のお店に引けを取らないほどラブライブ!シリーズのグッズが飾られていて、結構な盛り上がりを見せていました。
で、何故かソフトクリームが販売されてたので探訪記念に買っていきました。
普通のバニラソフトクリームかと思いきや、コーヒーの粉がかかっていて、ミルクコーヒーのような感覚で味わえて美味しかったです。
そして再び豊後森駅に戻ってきたのですが...反対側のホーム(3番線)にJR九州の観光列車(デザイン&ストーリー列車)のひとつである「JRKYUSHU SWEET TRAIN『或る列車』」が停車していました。いつか乗ってみたいですね...
或る列車に感動しているうちに、自分たちのいるホーム(1番線)にゆふいんの森が入線してきました。
ゆふいんの森と或る列車のツーショットとかいう、贅沢な絵面が完成しました。
我々がこれから乗る特急「ゆふいんの森2号」は、行きに乗った列車(ゆふいんの森1号)が由布院駅で折り返して走行しているものです。
なので、添乗員も同じ方だったので、通りかかった際には「お帰りなさいませ」なんて言われてしまいました。恐らく私が机上に展開していた千歌の寝そべりぬいぐるみでわかったのでしょう...
切符の発券も少し特殊で、今回の旅行には昨日からの引き続きで「みんなの九州きっぷ(北部九州)」を使っているので、全席指定のゆふいんの森に乗るためには座席指定券(通常の特急券ではない)を発券しないといけません。
通常であれば、みどりの窓口の指定席券売機で出来ますが、豊後森駅にはそれが無く、駅員も「そういった券が出せる機械が無いです」と言われてしまいました。
なので、手書きで発行してもらうという特殊なパターンになりました。駅の事務コードが記載されていたりと、通常の切符には書かれてないものが書いてあって感動しました。
久大本線内はずっと爆睡をキメてしまいましたが、鹿児島本線に戻ってきたあとの鳥栖駅付近では、SL人吉の蒸気機関車と客車が留置されていました。
これもまた、ここにいる事は珍しく(というかほぼない)、普段は肥薩線の臨時快速列車として運行しているからです。前回の記事でも触れましたが、肥薩線は昨年の豪雨で不通区間があり、SL人吉もまた長期間運休せざるを得ない状況です。
なので、代替え?として半年ほど前から鹿児島本線の鳥栖駅〜熊本駅間を土日祝日限定で運行を開始しました。
さて、列車は鳥栖駅に到着しました。ここで長崎本線に乗り換えるわけなのですが...
なんと乗り換え時間は3分。しかも、ゆふいんの森は定時より2分遅れて走行していたので、乗り換え先の列車が定刻で発車する場合だと1分しかありません。まさにエクストリーム・乗り換えです。
そのため、社会人勢2人が久大本線内でくたばってる間に後輩ちゃんらが車掌に事情を話をつけて、乗り換えがしやすい(階段の位置が近い)車両への移動を促してくれました。
無事にエクストリーム・乗り換えin鳥栖駅が成功したので、ここからは特急「ハウステンボス・みどり13号」に乗っていきます。自由席です。
20分もしないうちに佐賀駅に到着しました。ここで特急から降車します。切り離しはおろか、まだ長崎本線内なのに降りてしまいました。
佐賀駅からは肥前山口行きの普通列車に乗り換えます。車両は817系電車です。
この「肥前山口行き」はもう時期見納めとなります。というのも、2022年の秋頃に駅名が「江北駅(こうほくえき)」に改称されるからです。佐賀県杵島郡江北町の知名度を上げるためらしいですが、もう既に東京の某新交通システムに同名の駅があるじゃん...って。
佐賀駅から2駅(臨時駅除く)乗った先にある久保田駅で下車しました。
さて、昨日参戦したイベントに出演されてたのはどなたでしょうか...
久保田未夢さんです。
という訳で、佐賀県佐賀市久保田町にある長崎本線の久保田駅にやってきました!
これは私ではなく、一緒に行動してたオタクの発案によるものです。この駅は切符のフリーエリア内にある駅ですし...ということで行程に組み込んだそうです。
現在では所在地は佐賀県佐賀市ですが、写真にもあるように以前は佐賀県佐賀郡久保田町で、その中心駅として機能していましたが、2007年10月1日に佐賀市と合併して現在に至っています。
駅舎はこんな感じです。あまり大きな声で言えませんが、合併前の中心駅とはとても思えないこじんまりとした駅舎です。
ですが、長崎本線のほかに唐津線もここから伸びていて、一応交通の要衝にはなっています。
先程とは反対側のホームには、新しい駅名標がありましたが、佐賀郡の「郡」の上から「市」を貼って無理やり"佐賀市"にしていたのが面白かったです。じゃあそんなに新しくないじゃん...
入場券はなかったので、代わりに初乗り運賃で記念に切符を買っていきました。
再び佐賀駅に戻ってきて、今度は特急「みどり18号」に乗車します。
車両は783系電車です。「ハイパーサルーン(Hyper Saloon)」の愛称を持つこの車両は、国鉄民営化後のJR6社になって初めて新車として登場した特急車両です。これは特急みどり用の塗装になっていますが、リニューアル改造されたものです。
元の姿はこの写真の右側ですが、左側も同じ783系です。これは、もともと中間車だったものを魔改造を施して先頭車両に仕立てあげたからです。
頭の形が全然違うので、私はこれを「変態連結」と呼びました。
新鳥栖駅で降りました。特急の停車駅でいえば、佐賀駅の隣駅です。ここでも座席指定券を発券するために一旦改札外に出ます。
九州新幹線の開業に合わせて長崎本線との交点に設置された新鳥栖駅ですが、コンクリート剥き出しの無機質な雰囲気が、"在来線と新幹線の接続駅"というのを存分に感じさせられます。
その九州新幹線にこれから乗り換えます。写真が斜めっているのはまあ気にしない
「つばめ325号」鹿児島中央行きです。
そして車両はなんと、あの800系です!九州新幹線に乗るんだからやっぱりJR九州の車両である800系に乗らないと...ということで狙っていきました。
博多駅で山陽新幹線に乗り入れている種別もあるため車両ガチャは存在しますが、つばめは九州新幹線内で完結する種別なので、確実に800系に乗ることが出来ます。
車内のデザインは、やはり水戸岡鋭治さんが手がけたということもあって、東海道新幹線や山陽新幹線のものとは全然違う雰囲気です。
なお、車内放送の音楽は向谷実さんが作曲しています。
水戸岡&向谷という平成の強力タッグで造られた九州新幹線、強いですね。
「和」をコンセプトに内装が施されているので、遮光カーテンも簾のような感じになっています。
東海道新幹線のN700系では広告が掲出されている場所には、金箔で覆われた装飾になっていて、そこまでするのかという感じでしたね。
熊本駅で下車しました。というのは、「みんなの九州きっぷ(北部九州)」のフリーエリアがこの駅までだからです。
あと、熊本駅の現在の所在地は熊本県熊本市西区ですが、写真のように駅名標は"熊本市"だけになっています。
恐らくこれは、九州新幹線の開通と熊本市の政令指定都市への移行の時期に関係していると思われます。
熊本市が政令指定都市に移行したのは2012年4月1日です。九州新幹線が全線で開通したのは2011年3月12日です。つまり、九州新幹線が全線開通した時はまだ熊本市は政令指定都市になっていないので、当時の住所で設置されましたが、約1年後に移行したので駅名標を再設置するのは費用がかかるということでそのままになっているのだと考えられます。
熊本といえばそう、くまモンです。
熊本県最高指導者の像を街の玄関口に建てるとは、流石といったところでしょうか。くまモンは熊本県最高指導者ではない
とはいえ、今回は時間の都合で熊本を散策する時間は無いので、駅前にあった「アミュプラザくまもと」には行くことに。
本当の目的はこれ、フロアガイドを回収することです。とりあえずこれで熊本県の回収実績を解放しました。
そして、熊本駅から乗るのもまた800系です。
「さくら404号」博多行きです。さくらはつばめとは違って通過駅があるので、所要時間は短いです。
終点まで乗り、博多駅に戻ってきました。7時間40分ぶりです。
帰りの新幹線の時間が決まっていたのでそれに間に合わせるのと、博多駅でやりたいことがいくつかあったので割と早めの帰還になりました。
まずは、博多で豚骨ラーメンを食べてから帰りたかったので、駅のホームにある「まるうまラーメン ぷらっと博多No.1」で食べることにしました。
と思ったら、隣のホームに特急「きらめき」として運用されている787系がいました。
そこに、883系「sonic」が入線してきました。
787系と883系というこの並びだけでも十分に凄いのですが...
この2編成、実はどっちもトップナンバーという奇跡だったのです!
787系は側面の「クモハ786 1」、883系はライトの下にある「883-1」の部分でそのように判断することができます。
とてもいいものを撮れたので、そろそろ豚骨ラーメンを食べます。やっぱり駅のホームで営業しているということもあって、注文してから5分ほどで料理が出てきました。
豚骨ラーメンの本場でしっかり食べることが出来たので良かったです。ごちそうさまでした。
食べ終わってホームを離れようとしたとき、まさかの車両が入線してきました。クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」です。
いつか乗ってみたいとは思いながらも、一般庶民の私からすると結構高い料金なので、まだ乗れそうにはありません...
こんな事をしていたら、お土産を買う時間が1分ほどしか無くなってしまい、鬼のような速さで決めなければいけない状況になってしまいました。
選んだのは博多通りもんです。これは、親にも頼まれていたものだったのですんなり決めることが出来ました。
帰りは、「のぞみ56号」東京行きに乗りました。博多駅17時39分発車、品川駅22時28分到着という、4時間48分間の乗車です。
車内であのバニラアイスクリームを食べました。
そう...シンカンセンスゴクカタイアイス
行きと同じで家の最寄り駅まで乗り換える必要が無いという理由で、品川駅で東海道線に乗り換えて帰りました。
それでは、お疲れ様でした!
by 新宿三丁目
今回のフロアガイド回収実績▼
熊本県:1箇所
公式サイト▼